大石芳野全仕事
カメラを肩に見た世界
それは、喜怒哀楽と共に私の心を捉えた
トップ頁
主な作品・著作
個展(写真展)
よしのさんの日記帖目次
辞書
大石芳野が半世紀を掛けて見つけた人々の「笑み」全ての写真集が見えます。
クリック
新仕事場は、井の頭公園の四季折々の移ろいが見える
仕事場には、訪れた国々の神への祈祷のためや食を得るための武器や生活用品や半世紀を辿った時の山がある
福郎

福の神
 2011年1月20日(日曜日)14時念願の紛争地帯専門カメラマン大石芳野さんの井の頭公園の事務所を「ねこふんじゃった」の宮本さんと訪問した。
 ピアノの先生である宮本さんは、永年の御友人という事で、名カメラマンの事務所への案内をお願いした。
 冬枯れの公園の池には、寒そうに噴水が水しぶきを上げ、ボートも白い腹を見せ陸に上げられていた。
 私は、戦後、間もない頃、小西六に席を置き、最近も在社したにも関わらず、長い間、大石芳野さんは男性だと思い込んでいた。
 ニューギニヤを始め過酷な地域の言葉では云い尽せない地域に赴き、1枚のショットに表現される時代の流れと弱者への深い思索には個展や写真集を見るたびに胸が熱くなっていた。
 1944年に何故か、突然、父が私に高価なカメラをプレゼントしてくれた。
 それが私の写真との最初の出会いだった。

 
どうも、登山が趣味だった叔父の山の写真撮影に啓蒙されたのか幼少の私に預けたのである。そのせいか私は、将来は報道カメラマンになろうとしていた。中学、高校は写真部を創設し琵琶湖の周辺を撮りまくった。
 大石芳野さんの初期の写真には、若者の熱情が迸っているように思う、
 写す側が激情を表出すれば、相手もそれを感じ、同じ心底心理状態になる。カメラのレンズは、大石さんのギラギラとした目だからである。
 近年、彼女が到達したのは相手をやさしい心で受け入れる事を身に付けた。そして、苦しい、悲しい、怒り、絶望、苦痛を抱えた多くの人々が、レンズの中で深い笑みをたたえるようになった。これは、高僧が語る悟りの境地なのだろう。
 身を粉にして人々の眼中を覗き見る大石芳野という報道カメラマンの姿勢は到底、私が生涯かかっても出来なかった偉業だ。多くの人が一枚の写真に何が描かれるのか思索を熱望するのである。(早崎日出太)