n大石芳野全仕事
カメラを肩に見た世界
 それは、喜怒哀楽と共に私の心を捉えた
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大石芳野フォト・ドキュメント「無告のカンボジアの証言民」 
NO 年月日 タイトル 出版社 価格 ISDN 寸法 備考
5 1981.11.05 無告の民・カンボジアの証言 岩波書店 \3,800 253×187×18 クリック
 
 此処に至る大石の青の時代の出会いから、今の生きざまをこれたけ詳細に分析している文章表現がどこかにあっただろうか
 大石の初期に撮影したショットには、若さと正義感が溢れているように思う。不条理な出来事を世の中に知らしめようとするエネルギーがひしひしと伝わってくる。
 勝者が正義とされる時代は太古の時代からの伝記や歴史書を見ても分かるように、正当化されたアメリカとソ連の戦争の狭間で苦しんだのは弱者の老人や子供だった。一般的には、そのような正当化された報道の喧伝に、正義は何かということに盲いていた私たちは、次世代の為にも正道が何かを見極めなければならない。
 人は、愚かなことや先人の教訓を馬耳東風と聞き流してしまうから、これからでも何が正当化を検証するのも遅くはないだろう。
 大石が著した、写真集とエッセイには、勇気と行動と思想で積み上げた稀有なドラマがある。その辺りにゴマンと居る学者や権威者と雲泥の差がある。
 机上論ではない現実が堆く積み上げられている。映像と絶対に異なる1枚、1枚の写真には、彼女の執念、こんな時代にしてはいけないという叫びがある。
 この写真集は、東京オリンピックの前後に取材したものである。大石の若い情念がひしひしと伝わってくるようだ。だから、目を背けたくなるような場面も少なくはない。
 私が、最初に出会ったのは、ニューギニアの個展での写真だったように記憶する。そして、その撮影者は、男性だと永い間思っていた。部族間の争いで首狩りの風習がある地域にまさか女性が行くとは思っていなかったのである。
 最近の写真では、枯淡の味わいが深くなったように感じる、一層、人を見つめるカメラアイが深淵に透過したように心に染み、じっと見つめると新しい発見がある

 大江が初対面の少女のようなカメラマンの事を「現代史ヘ立ち会う仕方」と巻頭に書いたエッセイが、今の彼女の姿勢を正確に見極めているのには私にとっては驚嘆であるし33冊の著書のスタート時点の若さに満ち溢れた時代を見つめたカメラアングルを多くの人々に確かめてほしいのである。(早崎日出太)
No タイトル 写真枚数 掲載頁 備考
01 現代史への立ち会う仕方(大江健三郎) 3-13 此処に至る大石芳野との青の時代の出会いから今がある生きざまをこれたけ詳細に分析している文章表現がどこかにあっただろうか
カンボジア全図・目次 7 1-8 書き掛け項目
02 紛争のはざまで 33 9-44
03 虐殺と飢餓の中で 31 45-64
04 奪われた自由 47 65-120
05 蘇った日々 44 121-160
06 メコンの嘆き(大石芳野) 161-170
07 年表「カンボジアの歩み」 171-174
 カンボジアアンコール・ワットポル・ポト時代クメール・ルージュカンボジア内戦シアヌーク殿下ヴェトナム
装丁:浅野邦夫/写真・文:大石芳野