n大石芳野全仕事
カメラを肩に見た世界
 それは、喜怒哀楽と共に私の心を捉えた
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大石芳野 写真集「ソビエト遍歴 修正:11/05/28 (土) 16:35:59
NO 年月日 タイトル 出版社 価格 ISDN 寸法 備考
15 1991.04.30 ソビエト遍歴 日本放送出版協会 \3,800 4-14-009166-5 C1030 257×186×17
 ソビエトと聞いただけで、かつての私は暗く切ない思いと不快な圧迫感を覚えたものだった。権力者は常に民衆を威圧し、その民衆の間で、密告と監視が横行する泥沼のような社会だと考えていた。
 しかし、ペレストロイカ(改革)政策がとられて以来、次第に人びとの顔が見えるような気がしてきた。人びとの生き方や暮らしをテーマに写真を撮り続けてきた私にとって、この気配はソビエトに強い関心を抱くきっかけになった。
 1990年2月、初めてモスクワの地に足を着けた時、広く平坦な都は雪化粧をほどこしてtいた。
 これまで映像で触れていたとはいうものの、何もかにもが私の目を引きつけた。
 滑走路のような道路が縦横に走る街を行きかう兵服の男性たちからは軍事大国を感じた。
 クレムリンの豪華さはロシア帝国時代を偲ばせ、スターリン時代の建物は重厚さと同時に圧迫感を与えていた。
 さらに目を見張ったのは都心の空に突き出した太い煙突がはき出す煤煙だった。それらは「人間を排除した社会主義」の歴史を物語っているように思えた。
 そのクレムリンにも新旧の交代が表面化し、3月、共産党が大敗した。ソビエト連邦始まって以来のことだ。
 しかも、初めて大統領制が成立し、ゴルバチョフが初代大統領に選出された。この時、3階の記者席から手持ちで望遠レンズを構えていた私は、興奮気味だった。
 70余年間、微動だにしなかった共産党支配を変革するかのような事態が、今、目の前で起ってV)ると思ったからだ。
 第2の革命ともいえる瞬間だという思いを強くした。眼下に小さくしか見えないゴルバチョフ新大統領が、希望の星のように私には見えた。というより、そうなって欲しいとの願いを持ちつつ、シャッターを押したということかもしれない。・・・・・・
     
 この写真集の「チェルノブイリ」の解説である。25年前の出来事である何故、その教訓が生かされていなかったのだろうか。世界最高の技術国と言われた日本は、どうなってしまったのだろうか。大石芳野は、1990年にソビエトを訪れ現状を実地に踏査、撮影し警鐘を鳴らしている。

■1986年4月26日午前1時24分、チェルノブイリ原発第4号炉が爆発事故を起こし炎上し、大量の放射能がソビエトばかりかヨーロッパをも汚染した。
爆発は500トンはあろう炉の防護板も破壊して、放射線アイソトープが約501、ンも噴出した。黒煙とともに空に立ちのぽった火の玉は放射能が充満していた。
 セシウム137、プルトニウム239、ヨウ素137、ストロンチウム90などの元素だった。これは広島型の10倍以上の強さに価する。
 アスファルトの道路に放水車が一日に何回も水をまいて、放射能を洗い流していた。ただし草むらの放射能は高度のままで足を踏み入れることは禁じられている。・・・
■30キロ圏内に、最近、無許可で戻ってきた農民がいる。合わせて1300人。大半が60歳以上だ。「生まれた所で死にたいから」。けれど電気も店も交通機関もなV)。「収容所のような暮らしです」と65歳のマラハは涙ぐむ。チェルノブイリ原発事故によって広大な麦畑が強度の放射能に汚染され一切の収穫が禁止されたままだ。
 ウクライナも白ロシアも、共に、肥沃な土地の農村地帯として人びとの誇りだった。【巻末「人びとの意志より】
No タイトル 写真枚数 掲載頁 備考
1 モスクワ MOSKVA 32 4-45 書き掛け項目
2 スモーレンスク SMOLENSK 7 46-56
3 レニングラード LENINGRAD 4 57ー61
4 エストニア ESTONIA 18 82ー85
5 ラトビア LATVIYA 11 86-98
6 リトアニア LITVA 20 99ー121
ウクライナ キエフ、ドニエック 
UKRAINA(KIEV,DONETSK)
8 122ー131
8 チェルノブイリ CHERNOBYL’ 18 132−155
9 アルメニア ARMENIYA 20 156ー182
10 アゼルバイジャン AZERBAIDZHAN 17 183ー201
11 グルジア GRUZIYA 19 202ー213
12 ウズベク(タシケント、フェルガナ) 
UZBEK(TASHKENT、FERGANA)
7 214-221
13 キルギス KIRGIZ 15 222ー240
人びとの意志 大石芳野 242-243
ソビエト社会主義共和国連邦 244-245
ソ連史年表 246
 Wikipediaより
モスクワスモーレンスクレニングラード=サンクトペテルベルグ/エストニアラトビアウクライナキエフドニエックチェルノブイリアルメニアアゼルバイジャングルジアウズベクタシケントフェルガナキルギスキエフの大門/
展覧会の絵
追跡ムソルグスキー「展覧会の絵」:團伊玖磨 NHK取材班
アートディレクター:中村博彦/デザイナー:薄井美穂子/プリンティングディレクター:小野重記/写真・文章:大石芳野